映画「ライオン・キング」に登場する国王ムファサとヴィラン役スカー。作中では、ムファサとスカーは兄弟として描かれています。しかし、実はムファサとスカーには意外な設定があったのです。
この記事では、ムファサとスカーの関係について詳しく解説します。
ムファサとスカーはどんなキャラクター?
まずは、ムファサとスカーがどのようなキャラクターなのか見てみましょう。
ムファサ
ムファサは、プライド・ランドの国王です。誠実かつ良心的なことから、仲間から絶大な信頼を寄せられています。ちなみにムファサは、マナゾト語で「王」を意味するようです。
また、ムファサと妻サラビとの間には、息子であるシンバが誕生しています。ムファサはシンバにも愛情深く接し、ときには愛ゆえに厳しく諭す場面も。親として、そして国王として「勇気と無謀の違い」や「生命の連環(サークル・オブ・ライフ)」についてシンバに語っていました。
スカーの企みによりヌーの大暴走に巻き込まれてしまったシンバを救い出した後、ムファサは崖をよじ登ってヌーから逃れようとしますが、スカーに手を振り払われ崖から落ちて死んでしまいます。
スカー
ヴィランとして登場するスカー。黒く長いたてがみと左目の傷が特徴的なキャラクターです。実は、スカーには「タカ」という本名があります。タカは、スワヒリ語で「汚れ」「欲望」を意味する言葉。ムファサが国王に選ばれたことで、自ら「スカー」と改名したといいます。
もとはムファサ国王の下、プライド・ランドに暮らしていました。しかし、国王の座を手に入れるためにハイエナたちと共謀して、ムファサを死に追いやり、さらにシンバを追放して、プライド・ランドの支配者となりました。
その後、追放したはずのシンバがプライド・ランドに帰還し、対決が勃発。最終的にスカーはシンバに崖から突き落とされ、さらに崖の下で待ち伏せしていたハイエナたちに食い殺されてしまいます。
ムファサとスカーの関係
ここからは、ムファサとスカーの関係性を見てみましょう。
ムファサとスカーは兄弟
ムファサとスカーは、兄弟として描かれています。ムファサが兄、スカーが弟です。
スカーがムファサを死に追いやった理由は、兄であるムファサがいる限り自分が国王になることは不可能なためです。また、息子シンバの誕生により、スカーの王位継承権は第二位に。スカーが抱える深い闇は、ムファサと兄弟関係にあることで生まれたものだったのです。
ムファサとスカーは親が違う?
ムファサとスカーには、「親が違う」「実の兄弟ではない」という裏設定があったのです。
ライオン・キングのプロデューサーを務めたドン・ハーン氏によると、作品製作中に「両親が同じではない設定」について話し合われたとのこと。その理由は、ライオンが持つ習性にあります。
野生のライオンの群れの中には、基本的に雄ライオンは1匹しかいません。というのも、雄ライオンは時期が来ると群れから追い出され、別の群れのボスライオンと戦い群れを乗っ取ることでボスになっていきます。そして、新しい群れで雌ライオンとの間に子供を儲けて、種を強くしていくんだとか。よって、プライド・ランドの中にムファサとスカーの2匹の雄ライオンがいることは、自然界ではあまりないことなのです。
しかし、野生のライオンの中にも2匹の雄ライオンが群れを率いていることがあります。2匹は兄弟の場合もあれば、群れを乗っ取る際に共闘した同志の場合も。
ドン・ハートン氏を含むライオン・キング製作チームは、2匹で群れを率いるライオンの生き方を根拠に、ムファサとスカーが実の兄弟ではないのではないかと考えたといいます。
作中にも実の兄弟ではないことを示唆する描写が
ライオン・キングの冒頭、ムファサとスカーが会話するシーンでスカーはこんな発言をしています。
I’m afraid I’m at the shallow end of the gene pool.
引用:The Lion King(1994)
吹き替え版では「ひと欠片の自信もない」と訳されています。しかし、”the shallow end of the gene pool”は「遺伝的に重要な要素が欠けている可能性がある」ことをユーモアを込めて表現するときに使われるフレーズで、それを踏まえると全体の訳は、「自分はどこか重要な部分が欠けているのではないかと思うんだ」となります。
これは、血のつながらない2匹の雄ライオンのうち、自分が劣っている方だとスカーが自覚していることを意味しているととらえられます。
新作映画で「実の兄弟ではない」設定が公式に
2024年12月20日に公開予定の「ライオン・キング:ムファサ」では、ムファサが国王になるまでのストーリーが描かれます。そして、公式サイトでは、同映画のストーリーについて次のように発表しています。
フラッシュバック形式で進むこの物語に登場するのは、両親を亡くしひとりぼっちのライオンだった、幼い頃のムファサ。「運命がお前を待っている」というラフィキの言葉通り、ムファサが王家の血統を受け継ぐ“タカ”(後のスカー)という思いやりに満ちたライオンに出会うまでに遡ります。
引用:シンバの父-ムファサ王の<始まりの物語>が遂に明かされる!全世界待望の大冒険、特報&ポスター初解禁!日本公開日&邦題決定!|Disney公式サイト
なんとムファサは王族の生まれではなく、孤児だったのです。
今回新作の設定が発表されるまでは、てっきりスカーが王族の血統ではないライオンなのだと思っていたため、まさかの設定に驚きました。
同映画によって、ムファサとスカーが実の兄弟でないことが明らかになりました。
(この章の参照:『ライオン・キング』ムファサとスカー、実は兄弟じゃなかった ― 裏設定をプロデューサーが暴露|THE RIVER)
新作「ライオン・キング:ムファサ」でムファサとスカーの過去が明らかに!
先ほどお伝えしたとおり、実写版「ライオン・キング:ムファサ」は、ムファサが国王になるまでのお話です。幼いころのスカー(同映画では本名のタカとして登場)との出会いや成長の様子はもちろん、なぜ因縁が生まれたのかも明らかになります。そして、なぜ王族生まれのスカーではなく、孤児のムファサが国王になったのかについても描かれています。ようやくムファサとスカーの関係性の全貌が見えてくるわけです。
ライオン・キング好きとしては、ぜひともチェックしたい映画です。
ムファサとスカーの関係 まとめ
多くの方が「ムファサとスカーは実の兄弟」だと信じていたと思いますが、実は当初から「親が違う」という裏設定がありました。そして、2024年12月公開の「ライオン・キング:ムファサ」ではムファサが孤児であり、スカーが王族生まれという設定に。これまで謎に包まれていたムファサとスカーの関係性が明かされます。気になる方は、ぜひ新作映画もチェックしてみてくださいね。