ハーブに虫除け効果はないの？最強ハーブ13選とそれぞれの特徴を紹介

すっきりとした香りが特徴のハーブ。ハーブに含まれる成分には、虫を寄せ付けない効果があるといわれています。しかし、一部では「ハーブに虫除け効果はないのでは？」といった声も挙がっています。

結論、ハーブにはある程度の虫除け効果が期待できます。ただし、すべての虫に効果があるわけではありません。

そこでこの記事では、ハーブの虫除け効果を詳しく解説するとともに、効果が高い最強ハーブ13選を紹介します。「ハーブに興味がある」「ハーブの自然由来の力で害虫対策をしたい」というあなたは、ぜひ最後までご覧ください。

ハーブに虫除け効果はないの？

結論、ハーブにはある程度の虫除け効果が期待できます。ハーブには、虫が嫌がる成分や香りが含まれているためです。自然由来の成分のため、小さなお子さんがいるご家庭でも安心ですよ。

しかし、ハーブはすべての虫に効果があるわけではありません。また、ハーブに期待できるのはあくまで「虫除け効果」です。蚊やハエなどの虫を寄せ付けない効果はありますが、殺虫効果はないため注意しましょう。

虫除け効果が高い最強ハーブ13選

ここでは、虫除け効果が高いとされる最強ハーブ13選を紹介します。それぞれ香りや効果のある虫の種類が異なるため、好みのものを選んでみてくださいね。

レモングラス：蚊・ゴキブリ・ダニなど

レモングラスに含まれる「シトラール」や「シトロネラール」が高い虫除け効果を発揮します。原産国であるインドでは古くから蚊帳に編み込むなどして、レモングラスを活用してきました。すっきりとしたレモンのような香りに加えて、イネ科の植物特有の藁のような香りも感じます。

シトロネラ：蚊・ゴキブリ・ダニなど

シトロネラは、「シトラール」「シトロネラール」を多く含んでいます。レモングラスと同じイネ科の植物のため、香りが似ています。ただし、シトロネラの方が若干甘い香りを感じるのが特徴です。シトロネラには、消臭効果も期待できるといわれています。

ゼラニウム：蚊・ハエなど

ゼラニウムは、ヨーロッパで「魔除け」として親しまれてきた植物です。ゼラニウムに含まれる「シトロネラール」「テルピネオール」に蚊やハエを寄せ付けない力があります。ローズゼラニウム・ペパーミントゼラニウム・レモンゼラニウムなどいくつか種類があるため、好みの香りのものを選ぶと良いでしょう。鮮やかな花を咲かせるため、玄関先におくのもおすすめです。

ユーカリ・グロブルス：蚊・ハエなど

ユーカリ・グロブルスが含む「1,8シネオール」には、蚊やハエなどを寄せ付けない性質があります。そのため、ユーカリ・グロブルスはチフスやマラリアの予防に活用されてきました。清涼感のあるシャープな香りは、鼻水や鼻詰まりの緩和にも効果的です。

レモンユーカリ：蚊・ゴキブリなど

レモンユーカリは、その名の通りレモンのようなさわやかな香りを放つユーカリの仲間です。主成分の「シトロネラール」が蚊やゴキブリなどを遠ざけます。気分を落ち着かせる作用もあるため、寝室に置いておけば質の良い眠りへと導いてくれるでしょう。

ペパーミント：蚊・アリ・ダニなど

ペパーミントといえば、香り成分「メントール」を含む植物です。蚊やアリなどは、メントールのすっきりとした香りを苦手としています。ペパーミントには体感温度を下げる効果も期待できるため、特に夏に育てたいハーブの1つです。ベランダや窓際において、ペパーミントの爽やかな香りを楽しみましょう。

ティーツリー：蚊など

ティーツリーはオーストラリア原産の植物です。オーストラリアの原住民アボリジニの間で、ティーツリーは万能薬として使われていました。現在ではティーツリーからつくられたオイルが、オーストラリア土産の定番になっています。ライムのような爽やかな香りには、虫除けの他カビの繁殖を抑える効果もあります。

タイム：蚊・ハエ・ナメクジ・ゴキブリなど

タイムには、鎮痛効果のある「チモール」が含まれています。このチモールが、害虫にとっては有毒になります。タイムは蚊・ナメクジ・ゴキブリなどとあらゆる虫に効果を発揮するのが特徴ですが、犬や猫にも害になってしまいます。そのため、ペットがいるご家庭では犬や猫が誤って食べてしまわないように管理しましょう。

ラベンダー：蚊・アリなど

ラベンダーには、防虫効果がある成分「リナロール」が含まれています。ラベンダーの香りにはリラックス効果があり、リビングや寝室に置いておけば心穏やかに過ごせるでしょう。ラベンダーを利用してサシェをつくるのもおすすめです。

ローズマリー：蚊など

防虫効果を発揮する「カンファー」を含むローズマリー。カンファーは、日本で洋服の防虫剤に用いられる樟脳（しょうのう）と同じ成分です。すっきりとしたした香りが特徴的なローズマリーは、料理にも使えるため便利ですよ。育てやすいことから、ローズマリーは園芸初心者の方にもぴったりです。

クローブ：蚊など

クローブの主成分「オイゲノール」は、蚊に対して虫除け効果を発揮します。カレーなどにも使われるクローブは、スパイシーさの中に甘さが混ざったような香りを持つのが特徴です。ちなみに、クローブは生薬名「丁子」としても知られています。

バジル：蚊・ハエなど

バジルは「シネオール」を含む植物です。独特な香りが、蚊を遠ざけてくれます。ドアや窓の近くに置いておくと良いでしょう。また、料理にも使えるため、キッチン近くに置くのもおすすめです。

カレンソウ（蚊連草）：蚊・ハエ・ダニ・ゴキブリなど

カレンソウは、ローズゼラニウムとシトロネラの掛け合わせで生まれたハーブです。ローズゼラニウムにそっくりな見た目をしています。残念ながら、ただ育てているだけでは虫除け効果はあまり期待できません。葉をもんだりたたいたりして、積極的に香りを出すようにしましょう。栽培が簡単なため、初心者の方でも安心して育てられますよ。

虫除け効果のあるハーブの活用方法3選

ここからは、虫除け効果が高いハーブの活用方法を紹介します。

①鉢やプランターで育てる

ハーブは鉢やプランターで育てるだけでも、ある程度の虫除け効果を発揮してくれます。ハーブを育てる場合は、苗からがおすすめです。種から育てるとなると発芽まで時間がかかってしまいますし、何より失敗するリスクが高まります。

ハーブの植え付け方法は、次の通りです。

①鉢底ネットと鉢底石を敷いて、鉢・プランターの3分の1の高さまで培養土を入れる
②ハーブの苗をポットから取り出し、手で土を落としながら根をほぐす
③鉢・プランターに苗をセットし、鉢やプランターの縁から2～3cm下まで培養土を足す
　（※土を鉢やプランターいっぱいに入れないのは、水やりしたときに水が外に漏れ出ないため）
　（※プランターの場合は、20～30㎝間隔で苗を植える）
④根元を軽く押さえ、たっぷり水やりする

植え付け時に使用する土は、市販のハーブ用培養土や野菜用の培養土でOKです。寄せ植えはお世話の難易度が上がってしまうため、まずは1種類から始めましょう。

基本的にハーブは乾燥を好むため、植え付け後の水やりは控えめを意識してくださいね。

②ドライハーブを活用する

天然のハーブを使って、ドライハーブをつくるのもおすすめです。虫除け効果を発揮してくれる他、インテリアとしての役割も果たしてくれますよ。

ドライハーブのつくり方は次の通りです。

①軽く水で洗い、水気をふき取ったハーブを少量ずつ束ねる
②束ねたハーブを、風通しの良い日陰で吊るす

葉のみでドライハーブをつくる場合は、葉同士が重ならないようにざるに広げて乾燥させましょう。ときどき上下をひっくり返すのがポイントです。

ドライハーブをつくる際は、直射日光に当てないように注意しましょう。強い光は、ハーブの香り成分を揮発させてしまいます。また、香り成分が亡くならないようにするには、短時間で乾かすことも大切です。そのため、梅雨など湿気が多い時期にドライハーブをつくるのは避けましょう。

つくったドライハーブを、サシェにしてクローゼットなどに吊るしておくのも良いでしょう。麻や不織布でできた小さい袋にドライハーブを詰めるだけでサシェができます。

③虫よけスプレーをつくって散布する

ドライハーブを使えば、虫よけスプレーもつくれます。薬剤を使用しないため、安心して活用できますよ。

虫よけスプレーのつくり方は次の通りです。

①ドライハーブ（適量）を空き瓶いっぱいに入れ、そこに無水エタノールをひたひたになるまで注ぐ
②蓋をして、ときどきゆすりながら2週間程度放置する
③2週間経ったら、ハーブを濾した液体と水を1：4の割合でスプレー容器に入れる

虫よけスプレーは、網戸に直接撒くのがおすすめです。スプレーを散布する際は、よく振ってから使ってくださいね。

ハーブに虫よけ効果はないの？まとめ

ハーブには、ある程度の虫除け効果が期待できます。しかし、市販の虫よけスプレーなどのように強力ではないことを覚えておきましょう。

今回紹介した13種のハーブは、どれも高い虫除け効果があるとされるものです。見た目はもちろん香りには好みがあると思いますので、自分が好きなハーブを選んで育ててみてください。よく育ったハーブは、ドライハーブや虫よけスプレーをつくるのにも活用できますよ。